引っ越し前に、住む街をデータで見るポイント
部屋探しでは、間取りや家賃、駅からの距離に目が行きがちです。住み始めてから気になりやすい「まわりの環境」も、公開されている統計である程度まで下調べできます。このガイドでは、しずあんを使って候補の街を見比べる手順を紹介します。
1. 候補の住所を地図で開く
物件情報に載っている地図のリンクや、地図アプリでコピーした緯度・経度を、地図の検索欄に貼り付けてください。その地点を含む町丁目のカードが開きます。町名や駅名で探すこともできます。
貼ったリンクや座標そのものはブラウザの中だけで処理し、当サイトへ送信・保存しません。ただし背景地図を表示するため、見ている範囲の地図画像を国土地理院のサーバーから読み込みます(プライバシーポリシー)。
2. 住む人の目線では「住まい安心」を中心に見る
画面下のタブを「住まい安心」に切り替えると、人口千人あたりの認知件数で色が付きます。この指標は、殺人・強盗などの凶悪犯と暴行・傷害などの粗暴犯に、空き巣などの侵入窃盗と、自転車・バイク・車の盗難を加えて数えています。侵入窃盗は住まいに直接関わるため、重みを 5 と大きめにしています。
千人あたりの数字は、住民の少ない繁華街やオフィス街で高く出ます。住む人が少ないのに、訪れる人が多いからです。住宅地どうしを比べるときに、とくに役立つ指標です。住民が 100 人未満の町丁目は、値が極端に振れるため「参考値なし」にしています。
3. 通勤・通学の道は「路上安心」で見る
毎日歩く道の様子は、面積あたりの「路上安心」のほうが近い考え方です。最寄り駅までの間にある町丁目の色も確かめておくと、帰り道のイメージがつかみやすくなります。駅前の繁華街は面積あたりの件数が多く出やすいので、住まいの町丁目と駅前を分けて見るのがコツです。
4. 静かさ(推定)で、夜の音の傾向を見る
「静かさ(推定)」は、商業・工業系の用途地域の割合、夜間営業の店の密度、幹線道路や鉄道との近さ、駅の乗降客数から計算した 0〜100 点の推定です。点数が低い町丁目ほど、夜まで人や車の動きがある条件がそろっています。
ただし実測の騒音ではありません。幹線道路に面した建物か、一本入った建物かで、同じ町丁目でも聞こえ方は大きく変わります。作り方と限界は静かさ(推定)の作り方と限界で詳しく説明しています。
5. 候補どうしを同じ物差しで比べる
しずあんの階級は、東京23区の町丁目の中央値を基準にした 5 段階で、多摩地域も同じ基準です。そのため、区と市をまたいで候補を比べても、色の意味は変わりません。カードの「中央値の〇倍」という数字を見れば、同じ階級の中でも差があるかどうかが分かります。
比べるときは、ひとつの数字だけで決めず、次の項目を組み合わせて判断の材料を増やしてください。
- 住まい安心と路上安心の両方の階級
- 静かさ(推定)の点数
- カードに出る面積・人口・3 年合計(小さな町丁目は数件の違いで値が動く)
6. データでは分からないので、現地で確かめたいこと
- 昼と夜、平日と休日で人通りがどう変わるか
- 駅から家までの道の明るさや、人の目があるか
- 建物の防犯設備(オートロック、共用部の照明など)と防音
- 近くの幹線道路・線路・店舗の営業時間
- 区市町村や警察が発信している地域の防犯情報
統計は町丁目という広さでまとめた数字で、ひとつの建物やひとつの通りのことは分かりません。認知件数は警察が把握した件数であり、安全を保証するものでもありません。地図で傾向をつかんだら、実際に歩いて確かめてください。